映画って何?と聞かれたら、ひとつは娯楽、ひとつは文化といった答えを思いつきますが、この映画のように社会性の強い映画を見ると別の言葉を探してしまいます。ジャーナリズム、報道性、社会正義・・・。
まさに舞台は報道最前線の新聞社で、隠されている悪をあばくことに挑戦する人たちの闘う姿が描かれています。しかも、実録がベースなので実際に戦った人達に思いを馳せながら見ると気持ちも高揚します。
- 製作:2015年
- 日本公開:2016年4月15日
- 上映時間:128分
- ジャンル:ドラマ
- 映倫区分: G
- 公式サイト:http://www.spotlight-scoop.com/
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聖職者、まさかのスキャンダル
アメリカ人は子供の頃から教会と深く関わっているため、神父など聖職者の言葉は非常に影響力があります。神に近い聖職者の声や言葉を特に子供達は疑うことなく信じてしまいますが、それが良からぬ誘惑や虐待だったらとんでもない話です。
そして、聖職者や所属する教会が組織ぐるみで罪を犯していると知ったらどうでしょう。信頼が深かっただけに、被害者の声をいくつ重ねても人々はなかなか事実として受け入れず、結果、”知っていて知らない”という歴史が長く続いてきました。
組織ぐるみの深い根に挑むチーム
摘発のキッカケは、ボストンの地元紙・グローブ社の編集局長マーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー )の就任です。以前から被害者の声が新聞社に何度か届き、小さな記事にはなっていたが、一向になくならない犯罪に組織ぐるみの根深さを感じていたのでした。
担当は、グローブ紙の中で独自調査による特集欄「スポットライト」を受け持つチームです。リーダーのウォルター・“ロビー”・ロビンソン(マイケル・キートン)、マイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)、サーシャ・ファイファー(レイチェル・マクアダムス)、マット・キャロル(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)の4人です。みんなボストンが大好きな地元民で、子供時代には教会にいい思い出を持っています。
記事にしなかった時の責任は?
取材を進めれば進めるほど根の深さと、誰かによる隠蔽工作があることに気付きます。また、取材の対象が同じ地域での仕事仲間や高校の同窓生などにならざるを得なくなります。取材してわかるのが「みんな事実を知っていた」ということに今更ながら驚きます。
レゼンデスが被害者の弁護士だったガラベディアンとコンタクトを取って情報提供を求めた時、ガラベディアンは「このことを記事にした時の責任は誰が取るんだ?」という質問をしますが、レゼンデスの返事は「記事にしなかった時の責任は誰が取るのか?」と聞き返します。
結果、膠着した事態は大きく動きついにスポットライトチームは、この一大スキャンダルを大きく報道し、組織ぐるみを暴露します。映画の最後に延々と流れるテロップは、このスクープによって影響を受け同様の摘発に発展した都市の名前だったのです。その長さに唖然としながら、いかに大きな事件だったかを思い知らされます。
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