誰でもサッカーや野球などのスポーツ、将棋や囲碁などのボードゲームで勝負をしたことがあると思います。
スポーツやボードゲームだけでなく、普段の仕事、人間関係や恋愛でも勝負をする場面が多くありますよね。
そこで今回は、サッカーと将棋の勝負の世界で仕事をしている岡田武史さんと羽生善治さんの対談本『勝負哲学』の内容を「勝負に勝つための5つのヒント」としてお伝えします。
目次
勝負に勝つための5つのヒント
1.直感を信じる
どれだけ理屈を突き詰めて考え抜いても、Aの戦術を使ったら勝率六〇パーセント、Bの戦法を採用したら勝率四〇パーセントなんていう数字的割り切りはできっこない。だから、結論を出す瀬戸際までは論理をできるだけ精密に積み重ねるけれども、最後の一片を埋める決断はカンで下します。(岡田)
理屈の蓄積は大事ですが、それに時間をかけすぎると、こんどは創造性やオリジナリティに欠けてしまうことがあります。だから、ぎりぎりまで積み上げた理屈を最後に全部捨てて、最終的な決断は自分のカンにゆだねる。(羽生)
勝負に人生がかかっている時ほど、よく考えてから決断したくなります。
しかし、ずっと考えていると行動することができなくなってしまいます。
岡田さんや羽生さんのように、トップクラスの勝負師になると、考え続けて迷ったまま決断するのではなく、自分の知識や経験をもとに最後はカンで決断するんですね。
2人を見習って直感を信じ、勢いよく決断したいですね。
2.前向きに開き直る
シミュレーションや妄想で、ありとあらゆる可能性を想定できたおかげで、大事な場面の判断を直感にまかせられるようになった、ということかもしれません。W杯のころには、かなり直感を信じられるようになっていて、カンが外れたらしょうがない、自分に運がなかったとあきらめればいいという開き直りも生まれていましたから。(岡田)
開き直りは大切ですね。前向きな開き直りは勝負強さに通じます。大事な場面の判断を直感にまかせられるということは、ロジックを積み重ねる地道な訓練を繰り返すうちに、先の先まで手を読まなくても、直感的に試合の流れや勝負どころがわかるようになるということではないでしょうか。(羽生)
上手く行かない時、失敗した時は、気分が落ち込んだり、イライラしたりしてしまいます。
岡田さん、羽生さんの強さは、巧みに開き直ってリスタートする速さも一因になっていたんですね。
3.無理に短所を直さない
欠点は長所の裏返しであることが多くて、欠点を是正してしまうと長所まで消えてしまうことがあるからです。短所も自分の能力の一部ですから、無理に短所を直すと、全体のバランスが崩れてしまいます。(羽生)
フィジカルが強くて相手に当たり負けしないが、パスはうまくない選手がいるとして、その選手が「今日はパスをうまく出してやろう」なんて色気を出しながら試合に臨むと、必ずといっていいほど、そのパスをミスしてしまいます。すると、得意の当たりでも精彩を欠いてしまうんです。勝負ってそういうもので、欠点の修正を入り口にするといい結果は出ないものなんです。逆に、そいつが長所であるフィジカルコンタクトや競り合いから思い切って入っていくと、苦手なパスでもいいプレーをするようになる。長所が欠点をカバーしてくれるんですね。(岡田)
長所と短所は裏表の関係とはよく言われます。
しかし、短所が目についてしまって執拗に直したくなることがあります。
そういう時でもあまり短所にこだわらず、長所を生かすといいんですね。
4.リスクを避けない
経験を積むと、この戦法ではこのくらいリスクがあるということがかなり正確に読めるようになってきて、リスクの程度や影響度が計算できるようになるんです。すると、どうしても危ない橋は渡りたくなくなります。つまり勝ちたいがために、リスクをとるより、リスクから身をかわすことを優先するようになる。でも、周囲はいつも変化し、進歩もしていますから、安全地帯にとどまっていると、その周囲の変化にだんだん取り残されてしまいます。(羽生)
そのとき自分に決断をうながすのは、「エイヤッ」と空中へ身を放り出すような勇気と覚悟ですよ。大きく重い決断をするときの最終的な決め手はそれしかありません。ちなみに、この「エイヤッ」が早くからできる豪快な人物、「エイヤッ」を先延ばしにする小心な人物、長い目で見ると、どちらも指導者としては成功していないようです。成功するのは、最悪のケースを想定しながらぎりぎりまで考え抜いて、最後にはスパッと迷いを断ち切れる、細心だが果断な人物です。(岡田)
まだ起きていないことでも、リスクがあると行動ができなくなることは多いです。
しかし、行動しないと成長することができないので、やはり思い切ってリスクをとる方がいいんですね。
リスクをとっていない人は、日頃からリスクをとる練習をした方がよさそうです。
5.カッとならない
勝負にいちばん悪影響を与えるのは「怒」とか「激」といった荒々しい感情です。つまり、カッとなったら負けなんです。これはボクシングなんかの勇猛なスポーツでも同じでしょう。動物的な闘争心は必要でも、それが自分の制御を超えて暴れ出してしまったら勝つことは難しくなります。(羽生)
感情的になって怒る時は、期待が外れたり、自分の思い通りにならない時が多いです。
人生には期待を裏切られたり、思い通りにならないことはたくさんあります。
感情的になると、そのことで頭がいっぱいになってしまい、他のことが考えられませんよね。
勝負の時に怒ってしまうと自滅してしまいます。
普段から感情を制御できるような振る舞いができるように意識したいですね。
「勝負に勝つための5つのヒント」まとめ
- 直感を信じる
- 前向きに開き直る
- 無理に短所を直さない
- リスクを避けない
- カッとならない
一見すると、5つともよく目にする言葉かもしれません。
それなのに周りを見渡してみると、できている人は少ないように感じます。
勝負の世界に身を置いている人たちでも、これらの基本的と思えることを繰り返し実践し、積み重ねて行っているんですね。
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