認定こども園、名前は知っていても、幼稚園・保育園と何がどう違うのかと聞かれるといまいちよくわからない・・・という人も多いと思います。
待機児童解消、子育て支援として導入された「認定こども園」について紹介します。
目次
認定こども園とは?
地域によって、保育園待ちの待機児童は多いが幼稚園は定員割れしているという場合、またその逆の場合もあります。
「その空いている枠を上手く活用できないか・・・」
「保育園でも、幼稚園のように学習面のサポートをしてほしい・・・」
「幼稚園の保育時間を延長してほしい・・・」
といった要望から、幼稚園と保育園の機能を持ち合わせた新しい施設「認定こども園」が誕生しました。
誕生といっても、いちから施設を作ることはほとんどなく、今運営している幼稚園・保育園が、施設や体制を整え、国の指針に合わせた認定基準をクリアして認定こども園に移行することが多いです。
幼稚園は「文部科学省」の管轄=未就学児の教育を行う教育施設
認定子ども園は「内閣府」の管轄=教育・保育を一体的に行う施設
認定子ども園はまだまだ少ない
平成18年から、待機児童問題解消を目指して導入された「認定こども園」。
導入から10年経過した平成28年4月時点で、全国の認定こども園の数は、4,001。
着実に増加しているとはいえ、認定こども園に移行してくる幼稚園・保育園が思ったより少なく、待機児童の解消にまで至っていないのが現状のようです。
どうして増えないの?
認定こども園に移行するには、まず幼稚園には保育園の、保育園には幼稚園の機能を持たせるための施設整備が必要ですが、園側の負担が大きいこと。
施設整備ができる余裕のある園でも、認定こども園に移行した後のデメリットから移行をしない園もあるようです。
たとえば・・・
幼稚園は文科省、保育園は厚労省の管轄ということもあり、会計処理も幼稚園分と保育園分では別々にしなければならないなど、事務的な負担が大きいこと。
保育士と幼稚園の先生では所有している免許が違い、保育士免許で幼稚園の先生になることはできず、幼稚園教諭免許で保育士として働くこともできないため、保育者の人員確保や体制作りが困難なこと。
施設整備や人員確保により、保育料を値上げせざるをえず、現時点で通っている保護者への対応や、今後入園者が減ってしまうのではないかという不安があること。
多くの幼稚園ではすでに「預かり保育」を行っており、わざわざ認定こども園に移行するメリットが感じられないといった意見があるようです。
認定こども園の特徴は?
認定こども園のメリット
- 親の就業の有無は関係なく、0歳児から入園することができる。
⇒短時間労働のママや専業主婦でも保育所を利用しやすくなる。 - 年少~年長さんは、幼稚園の保育時間である9時~14時は幼稚園の教育を、それ以外の時間は保育園の保育を受けることができる。
⇒小学校に入学する前に差が出てしまうのではないかという不安がなくなる。 - 保育園は、仕事を辞めたり、下の子を妊娠して産休・育休を取ると退園しなければならないが、認定こども園なら退園しなくてもすむ。
⇒仕事に復帰する際に一から保育園探しをする必要がなく、子どもも慣れた園に通い続けることができる。
認定こども園のデメリット
- 保育園の保護者と幼稚園の保護者では活動しやすい時間帯が異なり、役員選び、PTA活動、園行事に温度差が出る。
- 施設整備や人員確保のため、幼稚園時代よりも保育料が高くなる傾向がある。
- 認定こども園でも、両親が共働き、一人親世帯など「保育を必要としている人」が優先である。
⇒保育園を必要とする子どもだけでいっぱいになってしまう可能性もある。
認定こども園って実際にどう?
子どもの通う幼稚園が認定こども園になった・・・という保護者の話では、やはり保育料の値上がり、働いている保育園側の保護者と、時間の都合を付けやすい幼稚園側の保護者の間で、役員や行事運営の負担の差に問題が出ているようです。
「幼稚園と保育園のいいとこどり」と言われ魅力的な認定こども園ですが、保育園と幼稚園では、働く保育士の免許も、行事の数も、預ける家庭の環境も、園に求めることも違いますから、いろいろと新たな問題が出てきそうです。
認定こども園と一言でいっても、「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」と4種類あります。
保活をしているママの選択肢は増えましたが、「幼稚園型」では、夏休みなど長期休みがあるので選ぶ際には気をつけないといけません。
認定こども園が複雑で、保護者に浸透していないために、突然「来年度からこども園に移行します」と告げられ不安だというママの声も多く聞かれます。
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