インフルエンザと同様、冬になると大流行するのが、ノロウイルスによる感染性胃腸炎。
ノロウイルスは、インフルエンザと違いワクチンや、抗ウイルス薬がありません。
保育園、幼稚園、小学校などで集団感染が起こりやすく、発症した子どもからの二次感染により家族全員がダウンすることも・・・
ノロウイルスは、アルコール消毒に耐性を持ち、長期間生存可能なうえに、少量のウイルス(10〜100個)でも感染する厄介なウイルスです。
少しでも感染、発症を減らすためにできる予防対策は徹底しましょう。
目次
ノロウイルスの感染経路
経口感染
・生の二枚貝や、井戸水などノロウイルスに汚染された食品を摂取することで感染。
・ノロウイルスに感染している人が調理・加工をした食品を食べて感染。
接触感染・飛沫感染
・ノロウイルス患者の、便・嘔吐物を処理する際に感染。
・感染者の手指や、感染者が触れたものに触り、ウイルスが手指を介し口に入って感染。
空気感染
・ノロウイルスは乾燥すると空中に漂うため、これ吸い込むことで感染。嘔吐物の消毒が不十分だと起こりやすい。
ノロウイルスの症状は?
感染から発症までの潜伏期間は24~48時間。
主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱はしても高くなることはあまりありません。
多くの場合は、1~2日で快方に向かいます。
「もう2度と罹りたくない」「死ぬかと思った」と思わず言ってしまうくらい重い症状の人がいる一方、感染しても発症しない人、軽い風邪程度の人、気持ち悪いかなという程度で済んでしまう人もいます。
体力のない乳幼児や高齢者は重症化しやすく、脱水症状などで入院が必要になったり、嘔吐物を詰まらせて死亡することもあります。
ノロウイルスの予防方法は?
手洗い
ノロウイルスを体内に入れないために最も有効で簡単な予防方法が手洗いです。
帰宅時、調理を行う前、食事の前、トイレ後には必ず手洗いしましょう。
石鹸は固形ではなく、液体か泡タイプのものがオススメ。
親指、指の間、爪の間、手首は洗い残しが多いので特に念入りに。
せっかく洗ってもタオルが汚かったら意味がありません。
まめに清潔なタオルに替える、タオルの共用はしない、それが難しい場合はペーパータオルを利用するのもいいでしょう。
しっかり加熱
加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう。
生牡蠣などは、抵抗力のない子どもや高齢者は避けた方が無難です。
二次感染予防には消毒が大切
家族が発症した場合、嘔吐物やオムツなどの処理中に、二次感染してしまうことが多いので注意が必要です。
ノロウイルスに、アルコール消毒は効果がありません。
ノロウイルスに有効なのは、熱湯消毒(85℃以上で1分以上)と、次亜塩素酸ナトリウム消毒です。
次亜塩素酸ナトリウムは、市販の塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)に含まれています。
いざという時に、焦ってしまわないように常備しておき、すぐ作れるようしておきましょう。
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塩素系漂白剤の消毒液の作り方
市販のキッチンハイターと、500mlのペットボトルを用意して消毒液を作りましょう。
ペットボトルのキャップで計量できるので簡単に作ることができますよ。
500mLの水に対して、2mlの塩素系漂白剤を入れたらキャップを閉めよく振り混ぜましょう。
500mlのペットボトルのキャップの容量が約5mlなので、2mlはおよそキャップの2分の1弱程度です。
感染源になりやすいトイレの消毒(床、便座、フタ、ドアノブ、レバーなど)、汚れた衣類の消毒に使用できます。
スプレー容器に入れ替えて、トイレに置いておくと便利ですよ。
【0.1%の消毒液】
嘔吐物や排泄物の消毒に使用します。
500mlの水に、ペットボトルのキャップ2杯(約10ml)の塩素系漂白剤を入れて混ぜます。
消毒液を使用する際の注意
ペットボトルで消毒液を作った場合は、子どもが飲み物と間違って飲んでしまうことがないないように、しっかり管理し、消毒液であることがはっきりとわかるようにしておきましょう。
塩素系漂白剤は、漂白作用があるため、色落ちする可能性のあるものには注意してください。
また、金属を腐食させることもあるため、金属には使用しないか、使用した場合はきちんと拭き取るようにしましょう。
作った消毒液は、時間が経つと効果が落ちてしまうため、1~2日以内に使い切りましょう。
割高にはなりますが、いちいち作るのが大変、赤ちゃんにも安心なものがよい人には便利な除菌スプレーもあります。
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ノロウイルスの感染力は非常に強い
感染しても、発症しない人、症状が軽いラッキーな人もいますが、症状が軽いからと安心は出来ません。
なぜなら、症状が軽くても、便からはノロウイルスが排出されているからです。
知らないうちに自分が感染源になってしまう可能性があるのがノロウイルスの怖いところです。
特に、仕事で食品を取り扱っている人は、集団感染を防ぐためにも、自分自身の健康状態を把握することが大切です。
家族や、身近にいる人が発症している場合は自分も感染している可能性があることを覚えておきましょう。