「レイルウェイ 運命の旅路」生きていることの辛さが安らぎに変わる時

映画の題材は、太平洋戦争時代、日本軍がタイ〜ビルマ間の鉄道建設のために英国人捕虜を使った時の話で、当時の捕虜エリック・ローマクスがその自叙伝で書いた悲惨な事実がもとになっています。

この鉄道は泰緬(タイメン)鉄道とよばれ、クワイ河マーチで有名になった映画「戦場にかける橋」と同じ題材です。どちらも、ノスタルジックなタイトルが冠せられていますが、戦争の中で起こった人道にもとる数々の行為が底辺にあります。

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  • 製作:2013年
  • 日本公開:2014年4月19日
  • 上映時間:116分
  • ジャンル:ドラマ/戦争
  • 映倫区分: G
  • 公式サイト:http://www.railway-tabi.jp/
目次

戦争が引き寄せた二人の運命

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一言で鉄道建設といっても、軍事上の戦略として過酷な条件は承知でやるわけですからそこに働くものの環境なんかそっちのけで、まして敵国の捕虜となれば牛馬と同じ扱いでした。ローマクス(戦後コリン・ファース 戦時中ジェレミー・アーヴァイン)が生きて帰れたのは日本が戦争で破れたためで、それ以外に理由はありません。

過酷な労働にひたすら耐えるローマクスと仲間の兵士たちですが、技術兵でもあった彼らが情報収集の目的で作ったラジオが日本軍に見つかり、スパイ活動の首謀者としてローマクスはいわれなき拷問にかけられます。その拷問の実行者が通訳でもあった永瀬隆(戦後・真田広之 戦時中・石田淡朗)で、“運命の旅路”はこの残酷な出会いから始まり、ローマクスの消えることのない復讐心へとつながっていきます。

パトリシアとの出会い

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終戦に助けられ、かろうじて生還できたローマクスですが決して安らぐ日々は訪れません。当時の長期にわたる拷問が原因で、帰国後も夜ごとPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされ続けます。

そんな症状をかかえる彼ですが、ある日乗った列車で偶然パトリシア(ニコール・キッドマン)という女性と同席し、知り合います。原題The Railway Manは、鉄道愛好家であるローマクスのことをいっていますが、後に妻となるパトリシアとの出会いも列車の中で、ローマクスの楽しい沿線話に花が咲いたのでした。

タイで再会する二人

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ローマクスの過去を知らずに結婚したパトリシアですが、二人で暮らすうちに夫の尋常でない態度や行動に違和感を感じ出します。戦友かつ友人であるフィンレイ(ステラン・スカルスガルド)に相談しますが、フィンレイの話からローマクスの記憶の奥深くに潜む断ち切れない拷問への怨念を知ることになります。

看護婦でもあったパトリシアは、妻としてローマクスの心の闇を解放してあげること決心します。フィンレイから、当時ローマクスの拷問の執行人となった永瀬隆の生存を聞きつけ、ローマクスを永瀬に合わせることを企てます。

永瀬の住むタイにローマクスを送り出すパトリシアですが、再び会うことはないかもしれないというギリギリの選択でした。タイでのローマクスと永瀬の再会はこの映画の最大の見どころ。二人は何を語り、何を飲み込んだのか、その顛末から“戦争”を教えてくれます。

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