ニコール・キッドマンのファンなら、是非見ておきたい作品です。数々の難しい役をこなしてきた彼女が普段着の主婦を演じるのですが、普通だからこそ妖艶さの引き立つ映画になっています。
彼女の生地オーストラリアが舞台です。オーストラリアといえばとてつもなく広い大地と自然公園のイメージですが、砂漠が圧倒的に多く居住に適したところは極端に少ない国です。
そんな国で、先住民アボリジニの虹蛇信仰を背景に、砂漠に近い片田舎に引っ越してきた夫婦の子供に謎の失踪事件が起こります。狂ったように子供を探す母親キャサリン(ニコール・キッドマン)なのですが、彼女自身もあまり普通ではないのです。
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- 製作:2015年 オーストラリア・アイルランド合作
- 日本公開:2016年2月27日
- 上映時間:111分
- ジャンル:サスペンス
- 映倫区分:R15+
- 公式サイト:http://nijihebi.com/
目次
解けないサスペンスの結末
サスペンス映画なら、失踪事件の背景となる家族関係、近隣の怪しい人たちに注目し謎解きに興味がいってしまうのですが、この映画、そこはほどほどにしあまり深追いしない方がより楽しめる映画です。
実際、キャサリンと夫マシュー(ジョセフ・ファインズ)のギスギスした関係、捜索主任のレイ(ヒューゴ・ウィービング)もどこか怪しいし、なにより失踪した長女リリー(マディソン・ブラウン)は街で噂の“ふしだら娘”で、彼女をモノにしようとしていた男たちも登場し謎が深まりますが、いつしかどこかへ押しやられてしまいます。。
虹蛇伝説と月夜のミステリー
必死に子供を探すキャサリンは、ふと地元の先住民アボリジニの虹蛇伝説を耳にします。オーストラリアの大地を支配する“虹蛇”の神話が頭から離れず、精神的に追い詰められたように深夜に彷徨します。このあたりから映画はミステリーからスピリチュアルになってきます。
時折映し出されるオーストライアの枯れた砂漠地帯や、赤茶けたハゲ山の映像は、巨大な虹蛇が夜な夜な這った跡らしい。ふしだら娘とはいえ、15歳のあどけなさの残るリリーの行方はやはり気になります。あの渓谷のどこかで虹蛇に連れ去られた・・・。
ふしだらキャサリン?
失踪後、キャサリンはリリーの日記を見つけ、その奔放な内容に驚きつつも、リリーの行状に自分が重なるのか妖しいキャサリンが垣間見えてしまいます。まさか、誰彼となく性欲のはけ口を探すような女ではないはず、というのは単なる思い込みでしょうか。
地味で質素、そして子供たちへの愛情がびんびん伝わるキャサリンです。しかし、ついに月夜に何かに誘われるように自分も同じように砂漠を彷徨してしまいます。明け方、彼女はボロボロになって街に戻ってくるのですが、いったい砂漠で彼女に何があったのでしょうか、誰が彼女をそんな風にしてしまったのでしょうか、と最後まで引っ張ってくれる不思議な映画です。
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