仕事の際に、お客さんと電話する場面は多々あると思います。
仕事を始めた頃、用件だけで済ませるのが、お互いに時間が取られずベストという風に考えていました。
しかし、メールでやり取りしている中で『ご自愛下さい』という相手の体調を気遣うセンテンスを使っているうちに「そうだ、リアルに電話での会話でも言ってみよう!」とひらめいたのです。
さすがに、文語調に「ご自愛下さい」と言っても、相手には伝わりにくいので「暑いので体調お気をつけくださいね~。」と同じ意味ですが文章を変えて、電話の最後に口に出して言ってみました。
相手を気遣う一言を電話の最後に添えたらどうなったか?
そうする皆、驚くように、そして、とても嬉しそうに「ありがとうございます!」と切り替えしてくれるのです。
自分のことを気にしてくれていることがわかると、一様に嬉しそうなのです。
「そうだ、相手を思いやる一言って、相手との距離を縮める!!」ということが分かってきて、電話の最後には、その日の気候に合わせて、なるべくその一言をいれるようにしました。
そうすることで、事務的に用件を伝えるだけでなく、相手の語調が柔らかくなり、コミュニケーションがスムースになりました。
相手を気遣う言葉から始まるコミュニケーション
そのうち、既婚者なのか、子供がいるのか、お盆はどこかへ出かけるのか、などの仕事以外の話もできるようになります。
また、同じ地域の人でなく、離れた場所のお客さんなら、「そちらは暑いですか?」など、気候の違いを話題にすることもあります。
「天気の話なんて、時間の無駄」と思われるかもしれませんが、無駄話が導入で、他の案件の話に発展していくこともしばしです。
なぜ、仕事以外の話が重要なのか?
会議やプレゼンテーションの最初に、「アイスブレイク」という手法を使います。
いきなり本題だと、場の雰囲気が緊張したまま会議などが進んでしまい、いい意見がでないからです。
ですので、会議やプレゼンテーションの冒頭に、時候の話など、会議とは関係ない話をして、場を和やかにしてから本題に入ります。
相手を気遣う言葉は、位置が違いますが同じ役割を果たしています。
緊張した用件のやり取りの後の、ほっとするオアシスのような、相手を思いやる言葉。
一気にお客さんとの距離が縮まること請け合いです!
ダイコンや人参を買ってもらうのではなく、自分を買ってもらう
とある営業マンが「営業は、ものを買ってもらうんじゃない、人を買ってもらうんだ」と行っていたのを聞いたことがあります。
20代は、いい商品じゃなきゃ売れないに決まってる!と決めつけていましたが、30代をすぎる頃から、その言葉の意味がわかってきました。
何か買うものがあるときに、「あの人に声をかけてみようかな?」と最初に考えてもらえる土俵に立てたら、かなりイニシアティブがとれます。
仕事だけのビジネスライクなコミュニケーションより、人となりが解かるコミュニケーションの方が、先方だけでなく、自分も楽しく仕事を進められると思いませんか?
照れくさいと思いますが、ぜひ、勇気を出して、相手を気遣う一言、付け加えてみてください。