「問題をひとつ解決したら、次の問題を解決する。次の問題を解決したら、また次の問題を、そしてそれらを十分に解決したら家に帰れるんだ!」
火星への有人探査で任務中に砂嵐に合い、火星にひとり取り残されたマーク・ワトニー(マット・デイモン)が、失望の中にも不屈の決心で語った言葉がこの言葉です。
かつてのこういった、宇宙を舞台にしたSFはフィクション性が強かったのですが、最近のSF映画は科学的な裏付けを十分にとった上で製作されていて、まんざらウソではない部分がたくさんあります。その上での、いわば「火星脱出ゲーム」なのです。
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- 製作:2015年
- 日本公開:2016年2月5日
- 上映時間:142分
- ジャンル:SF/アドベンチャー
- 映倫区分: G
- 公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/odyssey/
原題「THE MARTIAN」通り「火星の人」となる
一心同体のクルー6人ですが、砂嵐の中で同僚ワトニーが行方不明となり救出を断念するという苦渋の決断をします。同時に、船長のメリッサ・ルイス(ジェシカ・チャステイン)は今回のミッション「アレス3計画」そのものを放棄し、火星から脱出してしまいます。
(ちなみに、ジェシカ・チャステインは同じ宇宙モノの「インターステラー」にも登場しています。)
ところが、砂に埋もれたマークは危うく難を逃れて生存しており、火星にひとり取り残されてしまいます。原題THE MARTIAN通り、まさに「火星の人」となってしまったわけです。
単なる空想モノではないシナリオ
途方にくれるワトニーですが、次の有人探査ミッションであるアレス4計画は四年後であるのを知っていた彼は、それまで残された食べ物や資源で食いつないでいく方法を計算します。自ら植物学者としての知識もフル活用し、クルーの排泄物を肥料にしながらジャガイモの栽培に成功します。
また、マーズ・パスファインダーという20世紀の終わり頃にNASAが火星に到着させていた探査機を使って、なんと地球との交信に成功するのです。このあたりが、単なる空想モノではなく実際にあった事実から十分考えられる想定であるのが面白いところです。
みずみずしい地球に帰れるまで
順調と思いきや、「問題をひとつ解決したら、次の問題を・・・」は映画の前半だけで、後半は「ひとつ解決したらその結果、また新たな問題が・・・」の連続で目が離せません。頼みのジャガイモ畑が事故で壊滅し、追加食糧を送るためのロケットを発射しますが失敗に終わります。
ワトニーの救出計画も万事休す!というところまで来た時、救助を申し出た国がありました。現実世界の宇宙開発では、アメリカ、ロシアに追いつけ追い越せのあの国で、つい最近も有人の宇宙船打ち上げに成功したあの国です。
サンドラ・ブロック主演の「ゼロ・グラビティ」で、ライアン・ストーン博士が地球に生還したラストシーンはみずみずしい波打ち際のアップでした。さあ、ワトニーは再び緑と水がしたたる地球に立つことができるのでしょうか。
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