お客様へのお礼のメール ー最低限のルールと謙譲語ー

ビジネスメールのうち、もっとも気を使わなければならないのはやはり大切なお得意様に出すメールです。自社の製品やサービスをご利用いただいたお礼は、本来直接お会いしてお礼を申し上げたり、電話などで感謝を表しますが、取り急ぎ謝意を示すものとして一旦「メールで失礼します。」というように使います。

メールは手ごろで便利なので、紋切り型の一斉送信になることが多く、文面には十分注意して出すことが大切です。以下、気を付けたい点や配慮の効いた言い回しを紹介しましょう。

目次

最低限の気配りが大きな成果


メールは相手の時間や都合をまったく気にせず送信でき、同時に何人もの人に一斉送信できます。この便利さに甘えて、誰でも一様に同じ内容で出してしまうと、文字通りダイレクトメールになってしまいます。もらったお客様は、どうせ一斉配信しているのだろうと推測され、後に続く文章を読み飛ばしてしまうのは目に見えています。

はずしてはならない最低限の基本は、宛名に個々人のお客様の固有名詞である「お名前」を必ず書くことです。もちろんパソコンのメールソフトに詳しいお客様は、名簿リストから個人個人の名前を引っ張ってきて発信できるの知っておられたとしても、ここは最低限のマナーとして外してはならないところです。
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感謝の気持ちで呼びかけるつもりで


そして、本文中のどこかに宛名以外、何度かお名前を入れるようにします。たとえば、「山田様にはとってもお似合いの色かと存じます。」「山田様には以前からひいきにしていただき、本当に感謝しております。」といったように名前を繰り返すことで、「私だけに出してもらったメール」感を意識していただくことができます。

山田 今日子

いつもごひいきいただき、誠にありがとうございます。
昨日の内覧会には、足元の悪い中を遠方までお越しいただき本当にありがとうございました。

山田様にご満足いただけるサービスと品揃えでお迎えさせていただいたつもりなのですが、いかがでしたでしょうか。

さて、当日会場で目を止めていただいた物件ですが、補足で是非お話しさせていただき内容があり、近日中にお伺いさせていただきたくメール致しました。お手数ですが、後日お電話を入れさせていただきますので、今週中で山田様のご都合のいい時間をお知らせ下さい。

平日はお仕事中と存じますので、とりあえずメールで失礼いたします。

今後ともよろしくお願い致します。

〇〇住建株式会社
営業部 〇〇 〇〇

常に「へりくだる」言葉として謙譲語に注意

メールのポイントを整理すると、

・宛名は必ず固有名詞で、しかも、フルネームにするということ。
 (ご夫婦だと両方のお名前、家族の場合は「ご家族様」を忘れないように)
・お名前を、文中何度か呼びかけるような気持ちで使います。
・「メールで失礼致します。」のフレーズを忘れないように。
 (メールは便宜的に「一旦」あるいは「とりあえず」の連絡)

<NGワード>

△宛名を、「お客様各位」「お得意様各位」とする。
 (この表現は、一斉DMの典型的な宛名です。)
△イントロで、「お疲れ様です。」を使ってしまう。
 (ビジネスメールのうち、社内で交わす事務連絡では冒頭よく使いますが、お客様に対いてはNGです。)
△(お客様から)「返事をして下さい。」
(お客様が)「来てくれました。」
(いずれも、『謙譲語』として、「返事をいただく」「お越しいただく」を使用のこと)

商売でお客様へ使う言葉は、「謙譲語」が基本です。相手を自分より上に置いて、結果的に自分が下になる、いわゆる「へりくだる」という言葉です。お客様と通常に交わす会話もさることながら、メールにおいても「謙譲語」を忘れないように使いましょう。

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