青春時代の一番の思い出として、部活動をあげる方も多いことでしょう。部活動を通し流した汗や涙は何物にも代えがたいものであることは言うまでもありません。
かけがえのない多くの友人を作ることができ、先輩後輩の関係から挨拶の大事さや上下関係の厳しさを学びました。部活動はいろいろなことを学ばせてくれた場であることは誰の目から見ても明らかです。しかしそんな学校の部活動が危機に瀕しているといいます。色々な諸問題を抱える現代の部活動ではありますが、その中でも最も問題視されているのが「教員による顧問の引き受け手の減少」です。なぜ教員は部活動の顧問を引き受けたがらないのか?それによりどのような弊害が出てきていのかを見ていきたいと思います。
ではそもそもなぜ教員は顧問を引き受けないのでしょうか。
いろいろな諸事情が背景にはあるようですが、大きく分けて5つが考えられます。
目次
事情1、長時間拘束でありながら見合わない報酬
部活動に支払われている教員への手当は、土日の手当としてせいぜい3,000円ほど、と
言われています。教員に時間的にも金銭的にも負担が掛かりすぎているのは言うまでも
ありません。教員の世代交代が進み、熱意だけで部活動を運営する顧問教員が少なくなってきたと言えるでしょう。
事情2、教員もワークライフバランスを重視せざるを得ないため。
教員にも家族があります。本来、部活動の顧問を務めるべく若い教員ほど、育児子育てに追われているのです。中には親の介護で部活動の顧問どころではなく、家庭を顧みている教員も多いのが現状だったりします。
先にも少し述べたように部活動で指導している時間的に余裕がないのが現状のようです。
事情3、本職だけで手一杯のため。
ただでさえ忙しい教員。学校の授業で教壇に立つことだけが仕事だと思ったら大間違いのようです。
それ以上に授業に付随する事務仕事に追われ、時間的に部活動に関わることすら難しい、という嘆き節が聞こえてきます。
やはりここでも時間的余裕の無さが見受けられます。
事情4、部活動の指導に自信がないため。
専門外の部活動の顧問引き受け要請があった場合に、指導面の不安から、最近では断りを入れられるケースが多いとも聞きます。または、未経験の運動部の顧問を半ば強引に任されたが故に、熱意のない指導になってしまう傾向があります。マイナー競技などは競技未経験の教員が多い。どうしても顧問の引き受け手が不在となり、マイナー競技の部活動が廃部に追い込まれ減少していくという背景がまさにこれなのです。
事情5、部活動に熱心な教員の異動。
部活動に熱心な教員が異動でいなくなった後に廃部というケースも多く、一所懸命取り組んでいた生徒の心の傷が残るという問題も多く見受けられます。熱心で指導力のある教員の後はプレッシャーが大きく、特に引き受けたくないという話も聞いたことがあります。全国優勝を果たした運動部が翌々年に廃部を迎えた、という例も珍しくありません。
対策とまとめ
部活動は日本のスポーツ界の育成部門を下支えしていた大事な組織であったと言えます。
そこが空洞化したり崩壊したりしてしまえば日本スポーツ界の育成強化面で大打撃であることは言うまでもありません。
それ以上に問題なのは、犠牲になってしまうのがやる気があり、将来有望な生徒であったりする点です。
大人の諸事情で将来有望な選手の夢や希望を奪っていいわけがありません。
生徒を救うためにも、文部科学省やスポーツ庁が中心となって以下のような具体策を早急に検討していく必要性がありそうです。
2、思い切って部活動を廃止。地域総合スポーツクラブに移行ししっかり予算を付ける。
教員、生徒双方の幸せのためにも、抜本的な改革を真剣に検討すべき時が訪れた感があります。
何はどうあれ、青春の一ページだった部活動がこのような理由で衰退していくのをただ見ているだけというのは寂しい限りでなりません。