知っておくと便利な経営者のための法人税節約テクニック~交際費編~

会社は利益に対する法人税を決算月から2か月後までに計算して、
法人税の申告書を作成し、納付の手続も一緒に行わなければなりません。

例えば12月決算月なら、2月末までに法人税の申告書の作成と納付を
一緒にしなければなりません。

したがって、経営者にとって、法人税は資金繰りを考える上で、重要なテーマです。
今回は法人税の節約テクニックの中で、最も話題に挙がる交際費について、確認していきます。

目次

交際費とは

交際費とは、得意先や仕入先と仕事を行う上で、接待にかかった費用です。
具体的には、得意先や仕入先に対するお祝い金やお見舞金、
お歳暮やお中元などの費用になります。

社内の従業員に対する費用は、交際費とならないので、
注意が必要です。

中小法人の交際費の規定

交際費は、法人税の計算上、全ての金額が経費として認められません。
また、会社の資本金の額により、経費として認められる金額が異なります。

具体的には、資本金1億円以下と1億円超で異なります。
ここで、法人税法上、経費として認められる金額を損金算入額、
認められない金額を損金不算入額といいます。

資本金1億円以下の法人を中小法人といいます。
中小法人の場合、接待飲食費の50%と800万円のいずれか多い金額までが
経費として認められる、つまり損金算入額となります。

この規定は、改正に伴い、平成26年4月から適用されるようになりました。
今までは、中小法人は、交際費で処理した中で、
年間800万円までは経費として認めるという規定でした。

改正により、接待飲食費×50%と800万円の多いほうが経費として認める
という規定が加わりました。

よって、例えば、接待飲食費で1,700万円使っても、
1,700万円×50%=850万円までが、経費として認められます。
(相当な接待飲食費になりますが)

大法人の交際費の規定

資本金1億円超の法人を大法人といいます。
大法人の場合、接待飲食費の50%の金額までが経費として認められる、
つまり損金算入額となります。

今までは、大法人は交際費とみなされたら、全額経費として認められませんでした。
しかし、改正により、接待飲食費であれば、
交際費であっても経費として認められるようになりました。

つまり、大法人で、もし1人1回8千円の接待飲食費を支出したら、
4千円は経費として認められる、損金算入額となります。
しかし、4千円は、経費として認められない、損金不算入額となります。

交際費としての処理

交際費の処理として、知っておくべきなのが、飲食費の5,000円基準です。
1人5,000円以下であれば飲食代については、交際費でない経費として認められます。

つまり、接待の飲食代として、6名で3万円使った場合、交際費としなくてよいのです。
1人5,000円以下の経費処理の項目が問題ですが、交際費以外の項目
(例えば、飲食費)を設けて、5,000円超の場合と分けておくべきでしょう。

ただし、飲食等のあった年月日、飲食等に参加した者の氏名又は名称及びその関係、
飲食等に参加した者の数、費用の金額並びに飲食店等の名称及びその所在地
を領収書に記載して、保管しておく必要があります。

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